繊細な気持ち、心の敏感さ
「同士少女よ、敵を撃て」
という本を読んだ。
長編小説を読了したのは久しぶり。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってすぐのころ、どこかで面白いと耳にしたこの本を子どもの本と一緒に図書館で予約してみた。
受け取ったのは8月下旬。
第二次世界大戦中の対ドイツ戦で活躍したソ連の女性スナイパーの話。
当時実際に前線に出る女性兵士がいたそうで、それをモチーフにした小説。
凄かった。
重苦しくてスリリングで、衝撃的。
小説としてすっっごくよくできているし、この本の素晴らしさはいろんなところで言われている通り。
ただ、私が変わってしまっていたんだなぁ。
感動が尾を引かない。
日常生活に影響を及ぼすようなことはない。
途中で読むのやめなきゃってときには、さっとやめられる。
なんだかなぁ。
歳を重ねて涙もろくなっているのとは裏腹に、人への興味が出て心配りができるようになったのとは反対に、
細やかで繊細な気持ち、心の敏感さとその深さが、年齢を追うごとに失われていく、、
読み終えてしまった、すごくよくできた小説だった、びっくりした、苦しかった。
自分も確かに硝煙に紛れた血なまぐさいその場の空気を吸っていた。
でも余韻や悲しみは日常生活の中へスッと消えてしまった。
次はどんな本を読もうかな。
日本の古典なんかがいいのかな、とちょっと思っています。
「方丈記」とか。かなり共感の嵐だったので。