映画「すずめの戸締まり」を観て、災害を常に意識する日常を考えた
新海誠監督のアニメ映画、「すずめの戸締まり」を観ました。
5歳の時に東日本大震災で母親を失くした女子高生が、日本各地の災害の扉を閉じてまわることになるお話です。
しゃべる猫
椅子に姿を変えられた青年
扉の向こうの別世界
災いを封印する魔法の鍵
ファンタジー要素が盛りだくさんです。
そして、常に扉のすぐ向こうに災いが迫っている不穏さ。
それによってリアルでどうしようもない不安を掻き立てられます。
今や、私たちの生活の背後には、常に地震や自然災害がスタンバイしている。
非常用持ち出し袋に、水や食料の備蓄。
頻繁にある避難訓練。
そういった各所の備えの手厚さは私が子どもの頃とは全然違う。
そして、この映画。
あの頃のようなのほほんとした暮らしは、もうこれからはないということを思い知らされる。
私たちの生活は、いつでもどこでも災害はおこる、という前提の元にあることを忘れられないし、忘れるわけにはいかない。
登場人物たちは、世のため人のために立ち上がるヒーローではなく、愛する人のために戦うヒロインでもない。
ただただ巻き込まれて役割が与えられてしまったし、閉じ師としての運命をただそういうものとして受け入れている。
日本が、地球が、少しでも長く保てるように、ほころびを繕っていく。
それが、これからの日本、これからの地球なんだなぁ。
常に私たちの生活を脅かしている災害をギリギリのところでなんとかかわしたり、被害を少なくするべく工夫して過ごしていく時代なんだな、と、そんなことを考えさせられた映画でした。